元中国在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて中国に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系中国ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

恋愛が困難で結婚が容易な日本。その逆な中国。

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同僚の話を聞いていて、なんだか可哀想に思えてきました、、、
この国の恋愛事情もなかなか複雑なようです。

 

中国人男性にとっての課題


会社に、最近よく一緒に食事をする若い社員がいます。前回の記事で中国人社員の給料について数字を挙げましたが、実はあれは彼と彼の彼女の給与に関するものです。

 

chinalover.hatenablog.com

 

私はまだ彼の彼女さんには会ったことがないのですが、とにかく毎日夜になると彼のもとに引っ切り無しに彼女から電話がかかってきます。電話と言っても、WeChatという日本で言うところのLINEのようなアプリを用いた無料通話ですが。

 

私は中国語ができませんから、彼が何を話しているのかはわかりませんが、それでも、「頻繁にかかってくる電話にうんざりしつつも幸せを感じている」様子はよくわかります。「あ〜関係がうまくいっているんだな」と、見ていて雰囲気でよくわかるのです。

 

この国では結構プライベートもオープンにする傾向にあり、彼もよく彼女のことを話してくれるのですが、最近はとにかく「早く結婚したい」と毎日のように言われるそうです。二人は同郷で、双方の親からも「もういい歳なんだから年内には必ず結婚しなさい」なんて言われているのだとか。

 

でまあ、そんな話を聞けば、私のようなオッサンがやるべきことはただ一つ。もちろん「背中を押すこと」です。ということで、以下のようなやり取りがありました。

 

同僚との会話


私:「そもそも君は今の彼女と結婚したいの?」

 

同僚:「もちろんしたいです!」

 

私:「ならもう今すぐにでも籍を入れたらいいじゃん。ご祝儀弾むよ〜!」

 

同僚:「それが簡単ではないから困っているんですよ。」

 

私:「いや、簡単でしょ。紙切れ一枚書くだけなんだから。5分で済むじゃん。」

 

同僚:「いやいや、その前にやることがあるじゃないですか、、、」

 

私:「やることって、結婚式? お金の心配をしているの?」

 

同僚:「結婚式にはそんなにお金はかかりません。問題は結納金です。これが結構な額で、男側の両親が用意するわけですが、うちの親は田舎の農家で、ものすごく貧しいんですよ。日本にはないんですか? そういう風習は?」

 

私:「あ〜そういうことね。日本にも昔はあったけれど、核家族化が進んで最近の若者は親との関係も薄いし、今時結納金が如何の斯うのと言っているのはごくごく一部の名家だけだよ。そもそも彼女は同郷でしょ? 彼女の親だって理解してくれるでしょ。」

 

同僚:「いえいえ、中国ではこれはルールなんですよ。田舎でも都市部でも関係ありません。結納金はもちろんのこと、基本的には住居の購入が結婚の最低条件です。車もあった方がいいですし。」

 

私:「家の購入って、、、この会社でもらえる給料では、100年働いたって北京では買えないでしょ、、、」

 

同僚:「もちろん買えません。でも、頑張って貯めれば、田舎でなら買えます。北京でなら、転職を繰り返して少しでも高い給料の会社にどんどん移っていく以外に方法はありません。でも実際はそんなのは容易ではないから、みんな結婚できずに困っているんです。」

 

私:「そもそもなんで家なんて買う必要あるの? 日本人だって、賃貸物件に家族で住んでいる人はたくさんいるし。結婚して夫婦で働きながら検討すれば十分でしょ。」

 

同僚:「昔からのルールはルールなんですよ。そんな簡単な話ではないんです。」

 

私:「古い慣習なんかに拘っていても仕方ないじゃん。こんな高級外車だらけの一発当てた者勝ちの街で、何寝ぼけたこと言ってるの。。。」

 

同僚:「なら、僕の代わりに双方の親や山ほどいる親戚たちを説得してくださいよ! 本当に無理なんですってそういうの。日本には行ったこともないのでわかりませんが、とにかく中国では無理なんです。」

 

私:「中国人は大変だね、、、」

 

悩める若者たち


とまあ、同僚との間に最近そんなやりとりがありました。

 

私が少し前までいた台湾では、行政関係の手続きも含めて、とにかく何もかもが緩かったです。交渉の余地が常にあって、「ゴネた者勝ち」な場面も多かったです。しかしながら、恋愛に関しては、世界一出生率が低いことからもわかるように、日本の比ではないレベルの深刻な困難がそこにはありました。

 

taiwanlover.hatenablog.com

 

しかしながら、上述のやり取りからわかるように、中国にはまた中国ならではの問題があるようです。この国には、お国柄もあってか何でもかんでもルールでガチガチに固める傾向があるようです。本当に隙がないんですよね。

 

個人的には、その国の未来を作る若者たちを、ジジイやババアが慣習で縛り付けるなんていうのは絶対に間違っていると思いますけれどね。

 

世界はどんどん移り変わり、グローバル化の波をいくら国の政府が抑え付けようとしたところで、そんなのは到底不可能。日本だって、最近はどこに行っても中国人で溢れているし、この中国にだって、現に私のような外国人がいて、周囲に様々な情報をもたらすわけです。そんな環境の中でいかに独自の文化を守るかは極めて重要な課題であるわけですが、「変えずに維持する」ことが必ずしも正解とは限らないわけです。個人的には、最終的な判断は未来を生きる若者たちがすれば良いのだろうと考えています。連中だって、数十年後には高齢者。そうやって世界というのはぐるぐる回っていくのです。ですから例えば、日本の改憲に関する議論なんかも、老い先短い年寄りなんかじゃなくて、若い人たちに積極的に議論に参加してもらいたいなと私は思っています。日本が大好きで、日本がずっと日本であるために、こうやって世界と最前線で戦っている者としてそう思うのです。

 

ということで、話が少し飛躍しましたが、「結婚する金がない」なんて言っている日本の若者の皆さん。中国の若い男たちに比べたら、皆さんの置かれている環境は超イージーです。最近では結婚式を挙げないカップルも多いし、結婚にお金なんて本当に全くかかりません。是非安心して結婚してください。

 

と言いたいのは事実なのですが、日本の場合、恋人を作るのが中国よりもだいぶ難しい気がします。中国の場合、学校や会社において出会い系イベントが充実しているし、親が自分の子供にかなり積極的に紹介したりもするようですからね。

 

ということで、日本の若者に向けて、最近私はこんな記事も書きました。

 

taiwanlover.hatenablog.com

 

Twitterにて、「面白くて何度も読み返しました」なんて超絶嬉しい感想を伝えてくださった女性のフォロワーさんがいて、あまりにも嬉しかったのでこちらでも紹介させていただきます。

 

ところで皆さん、来月に控えているビッグイベント、お忘れではありませんよね?
かぼちゃ祭りも終わりましたから、すぐに次の準備を始めなければなりません。

 

えっ!? 私?
もちろん、北京にて聖夜を過ごしたいレディーに向けて、今これを書いています。
Wかセントレジスかリッツカールトンか、、、好きなところを選んでください、、、

 

って、んなこたーない(笑)

 

冗談はさておき、皆さんも冬支度に励んでください。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう。