皆さん、中国の大学でネイティヴ日本語講師として働いてみませんか?
はじめに
私は仕事柄色んな国に知人がいるのですが、この度、中国の大学で教員として働いている仲の良い友人からちょっとした依頼をされました。その依頼というのは、求人の宣伝依頼です。
なんでも、彼の大学には外国語学部日本語学科があり、そこには昨年まで日本人の日本語講師がいたそうなのです。しかしながら、その方は旧正月休みに一時帰国し、そのまま退職してしまったのだとか。そこで現在、新しい日本語講師を探しているそうなのです。
言うまでもなく、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、少し前までは日本にいる日本人の新規採用は難しい状態が続いていたわけですが、現在中国では感染拡大がほぼ完全な形で抑え込まれており、就労ビザがあれば日中間の往来もできるようになりました。今なら問題なく雇用が可能ということで、求人を出すことにしたそうです。
彼は異なる学部の教員なので、本来なら学国語学部における教育とは関係ないのですが、現在そのような事情から止むを得ず日本語会話の授業を代講しているそうで、日本語学科の中国人教員たちからこの度、求人に関する相談をされたそうです。そして、彼から私に協力依頼があったわけです。
話を聞いてみて、なかなか面白そうな仕事だなと思いました。ただ、残念ながら今の私は応募資格を満たしていないのです。しかしながら、この条件ならきっと興味を持つ方はいるだろうと私には思えてならないので、いっその事ブログにて情報をシェアしてみようと思い立った次第です。
応募条件
具体的な求人の内容に関してご紹介します。彼の大学で専任教員(教授、准教授、講師、助教)になるためには博士号を持っている必要があるのですが、今回募集しているのは「常勤の日本語専任講師」であり、学歴に関しては学部卒(学士)であれば問題ないとのこと。日本語教育を専攻された方や文学部卒業の方が優先はされるものの、応募に際して出身学部は不問とのことです。
応募に際しての条件は以下の通り。
- 50歳までの日本語を母語とする者
- 大卒以上(学士以上)
- 社会経験が2年以上ある者
- 教員免許保有もしくは日本語教師養成講座を修了した者
これらの条件のうち、1番〜3番を満たしている方は非常に多いかと思います。問題は4番なわけですが、教員免許なら種類や教科は問わないとのことなので、学生時代に教職課程を履修して何らかの教員免許を取得された方であれば問題ないかと思います。「日本語教師養成講座」というのは私には正直よくわかりませんが、そういった特別なトレーニングを積んだ方は既に職に就いてしまっていそうな気がします。
仕事の内容
仕事の内容に関しては、基本的には日本語の授業のみです。ネイティヴ教員ですから、もちろん日本語会話の授業を主に担当することになります。その他に、年に一度の日本語スピーチコンテストに参加する学生の指導を手伝ったりといった若干の課外指導はあるそうですが、基本的には授業時間以外は自由とのこと。家で寝ていてもどこかに遊びに行っても全く問題ないそうです。
- 週8コマの授業(1コマ90分)
- 若干の課外指導
- 1年ごとに雇用契約を更新
週8コマですから、週の実働時間はたったの12時間。堅い感じの講義ではなく、学部生を対象とした日本語会話の授業なので、準備なしでも教科書片手に授業が可能な程度の内容とのことです。
働く期間ですが、例えば今年度(中国の学校は9月始まり)であれば、秋学期が「9月〜12月」、春学期が「3月〜6月」となっています。なので、実際に働くのは1年のうち8か月間だけ。残りの4か月間はどこで何をしていようと完全に自由。もちろん日本で過ごしても問題ありません。
また、雇用契約は「1年契約」ですが、もちろん普通に仕事をしている限り、本人が望めば何年でも更新されます。
給与・待遇
待遇に関しては以下のようになっています。
- 月給7,500元(約117,000円)(※10か月間支給)
- キャンパス内にある2LDKの教員宿舎(家具家電完備)無料貸与
- 光熱費及びネット代無料
- 1年あたり1往復分の航空券代補助
言うまでもなく、給料は日本人的には安いですが、中国ですからそもそも物価が日本とは大きく異なり、この給与額は現地では准教授と同じ水準だそうです。また、日本ではあり得ない話だと思いますが、なんと教員宿舎(2LDK)の家賃は無料、光熱費もネット代も無料ということで、固定費はほぼゼロ。食費に関しては、例えば学食で食べれば1食10元(約156円)程度だそうです。友人曰く、「普通に暮らしていれば給与の半額以上は自動的に貯まる」とのこと。
なお、1年のうち4か月間は実質的に休暇になるため、給与は10か月分のみの支払いとなりますが、もちろん無料で貸与される宿舎には年間を通して住むことができます。
あとは、日中間の航空券は決して高くはありませんが、1往復分が無料というのは嬉しいですね。
選考方法
まずは履歴書等の応募書類を電子メールで提出して書類審査を受け、通過した場合はSkypeで面接を受け採否が決まります。
友人からのメッセージ
友人から是非ブログ記事に載せて欲しいとメッセージを預かっているので、貼り付けておきます。
皆さん初めまして。いきなりですが、うちの大学でネイティヴ日本語講師として働いてみませんか? 待遇は一見悪く見えるかもしれませんが、実働時間がとにかく短く、実際に働くのは週5日、1日あたり1時間半(1コマ)か3時間(2コマ)だけです。残りの時間は完全に自由で、英語学科で英会話を教えているアメリカ人の同僚は、「こんな気楽な生活を一度味わったらもう普通の仕事なんてできなくなるよ」なんて言っています。
私もコロナの影響で現在日本語学科で代講をしていますが、授業は日本語のみで行えばいいので気が楽です。難しいことを教えるわけではありませんから、ストレスを感じることもなく、毎回あっという間の90分間です。
ちなみに、私は中国語はほとんど話せませんが日常生活に苦労はありません。同僚のアメリカ人も同様です。日本語学科の中国人教員たちはもちろん皆日本語を流暢に話しますから、何か困った際には助けてもらえますし、私は困った時にはよく学生さんたちに通訳をお願いしています。
私は学部こそ異なりますが、教員宿舎は一箇所のみなので、採用された方とはご近所さんになることになります。中国ということで、色々思うところはあるかもしれませんが、渡航の準備はもちろんのこと、こちらにいらした後もできる限り力になりたいと思っているので、ぜひ安心してください。
個人的には、社会に向けて巣立つ直前の二十歳前後の若者たちの教育に関われる素晴らしい仕事だと思っています。大きな決断になるかとは思いますが、中国語を学ぶ上でも最高の環境と言えますし、戦略的なキャリアプランとして検討するのも悪くないかと思います。皆様からのお問い合わせ、楽しみにお待ちしております。
一点だけ補足しておきますが、雇用開始時期に関しては、「2021年3月から授業を担当できる方が理想だが、相談には喜んで応じます」とのことです。
連絡先
この求人にご興味を持たれた方は、まずはお気軽にTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)のDMもしくは電子メール(twlemontea@gmail.com)にて私にご連絡をいただけたらと思います。友人の連絡先をお伝えしますので、直接彼と連絡を取って疑問点等に関してまずは聞いていただけたらと思います。
最終的に応募の意思が固まったら、電子メールで日本語学科の学科長宛に応募書類を送っていただくことになります。
終わりに
今回は当ブログが始まって以来初めての求人募集記事となりましたが、もしかしたらこの記事が誰かの人生を動かすことになるかも、、、なんて想像するとゾクゾクします。
長年海外にいて思うわけですが、海外生活というのは本当にめちゃくちゃ面白いです。そしてその面白さはやはり実際に現地に住んでみないと絶対に見えてはきません。人生は一度きり、「退屈しない毎日」というのは大きな価値だと思います。
私も中国生活はそれなりに長いわけで、多かれ少なかれ力になれることはあるかと思います。これも何かの縁ですし、こういう時期だからこそ、自分に日中間の橋渡しの手助けができたらいいなという思いもあります。皆さんからお問い合わせを楽しみに待っています。