中国在住サラリーマンの徒然なる日々

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中国在住日本人として米中貿易戦争に関して思うこと

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最近話題の米中貿易戦争ですが、日本のメディアの報道をチェックしていると何とも言えない違和感を感じてしまいます。

 

端的に言えば、日本人はアメリカの言うことを盲目的に信じ、ノリで騒いでいるだけに思えてならないのです。

 

私は中国の一党独裁体制は批判されるべきだと考えていますし、同時に、トランプ大統領の拝金主義には虫酸が走ります。日本の野党は超低能集団ですが、自民党の高齢者優遇政策やまるで経団連の犬であるかのような政策にも心底失望しています。

 

そんな一人の愛国者として、今回は極力ニュートラルな立場から、「米中双方の思惑」及び「中国国内における現実」について考えてみたいと思います。

 

アメリカ側の思惑


アメリカ側としては、今後もずっと世界のトップでありたい、ただそれだけのことです。要は、日に日に力を増す中国が怖くて怖くて仕方がないわけです。

 

国土のサイズは似たようなものですが、中国の人口はアメリカの4倍以上。私は中国で暮らしているのでよくわかるのですが、中国政府は外国人が長期間住むための社会制度の整備には積極的ではありません。外国人がこの国で働く場合、数年働いたら出て行く前提なのです。一方、アメリカは外国人に対して非常に寛容です。人種差別は強烈に残っていますから、私の知り合いの中にも現地で苦労している人(特に男性)が多いのですが、任期のないパーマネント職は外国人にも広く開放されていますし、永住権の取得も容易であるという話をよく耳にします。

 

そんな背景もあって、中国人は既にアメリカ社会に大量に流入しており、極めて社会的地位の高い職に就いている人も多いです。

 

そういった点に目を向けると、そのような在米中国人の思想に興味が湧きませんか?

 

結論から言えば、実に様々です。愛国心が強く、十分な富を蓄えた後、最終的には中国に帰る予定の者がいれば、ずっとアメリカに留まりアメリカ人として生きていきたいという者もいます。もちろん、そんなことはアメリカ政府にとっても判別不可能であると言えます。

 

そうなるとやはり中国人ではなく、中国本体を定期的に叩く必要があるわけで、中国政府は税収の大部分を企業からの納税で賄っていますから、大企業が恰好のターゲットとなるわけです。

 

中国の恐ろしさ


次に、なぜアメリカは中国をそれほどまでに恐れるのか、という話に移りますが、「強大な人口規模(マンパワーの規模)」以外にはやはり「一党独裁国家」であるという点が鍵になります。

 

民主主義国家では、何でもかんでも基本的には多数決で決まりますし、政府が変なことをやろうとすればすぐにデモが起きます。「デモ」と一言で言っても、必ずしも平和的な行動であるとは限りません。最近のフランスを見ていればわかるように、暴力を伴うことも決して珍しくはありません。規模が大きくなれば、政府の要人やその家族たちは生命の危機に瀕することになるでしょう。このことが「ブレーキ」として重要な役割を担っているわけです。

 

しかしながら、中国の場合は一党独裁ですから、そもそもデモが非常にやりにくいのです。習近平氏は警察や軍をコントロールすることができる立場にいますから、デモなど起こそうものなら命を失うリスクすらありますし、命を賭してでも、、、などという愚民は現代の中国にはいません。皆スマホでゲームを楽しみつつ、家族を大事にして貧しいながらも一度きりの人生を大切に過ごしているわけですから。

 

したがって、中国政府は例えば有事の際には、国民から強制的に富を奪い取って武力行使のためのリソースとすることができるわけです。これはアメリカにはできないことですから、経済力で拮抗しているのであれば勝機は中国にあると言えます。

 

ですから、アメリカとしては、経済力の面で中国とは常にある程度差を付けておく必要があるのです。広大な国土を持った人口14億の独裁国家など、恐怖の塊でしかないわけですから。

 

ファーウェイは悪なのか?


今回狙い撃ちされたのがファーウェイ(华为技术有限公司、Huawei)という民間企業なわけですが、創業者である任正非という人物は人民解放軍出身ですし、政府からの大規模発注を受けたことで急成長した背景がありますから、国営企業のようなものだとも考えられており、「中国政府のスパイ企業」などと言われたりもしているわけです。

 

日本のメディアは教養のない文系人間ばかりで構成されていますから、「ファーウェイのスマホを使うと個人情報が抜かれる!」なんて報道しているわけですが、これが正しいのか正しくないのか、皆さんは理解していますか?

 

ファーウェイ製のスマートフォンであっても、プラットフォームはアメリカのグーグル(Google)製のアンドロイド(Android)であり、それを使っていればグーグルに個人情報が抜かれます。スマホを新しく購入して電源を入れると、様々な規約が表示されて「同意」を押さないと先に進めないはずです。つまり、皆さんはそういった情報提供に同意した上でスマホを日々使っているわけです。もちろんアップル(Apple)製のアイフォン(iPhone)に関しても同様です。

 

あとは、もう少し言うと、各アプリごとに色々と仕様があるわけですが、個人情報を抜いて送信するタイプのものは多いです。

 

個人的には、なぜ日本の皆さんたちはグーグルやアップルに個人情報を差し出すことには抵抗を感じないのに、ファーウェイに対してはやたらと敏感になるのだろうか、、、と不思議に思えてなりません。

 

まあ単純に、アメリカと中国、どちらかにつくならアメリカを選ぶ、という日本人が多いのでしょう。それは私も同じです。やはりここでも、一党独裁という傲慢が醜く見えてしまうのではないでしょうか。

 

ということで、「ファーウェイは悪なのか?」という問いの答えとしては、「そう考えた方が全体としてはメリットがある。中国が一党独裁を辞めれば事情は異なる可能性がある。」といったところでしょうか。

 

中国側の思惑


それでは次に、中国側の思惑について考えてみましょう。

 

個人的な見解としては、「アメリカが一方的に喧嘩を売ってきただけであり、そもそも晴天の霹靂でしかない。人口バランスの問題、都市部と農村部の格差問題など内政関係の問題が非常に多く、それどころではない。」というのが現実ではないでしょうか。

 

中国政府は愛国教育を実施していますが、何も、世界征服をしようと企んでいるわけではありません。単に一党独裁国家の安定的な維持を目指しているだけです。

 

私はブログでも再三書いてきましたが、中国人というのはびっくりするくらい外国人に対して関心がありません。他人にばかり注目してああでもないこうでもないと毎日噂話ばかりしている日本人が異常なだけです。

 

ですから、中国政府はアメリカを敵視しているわけでも何でもないのです。そもそも中国共産党の幹部の中にはアメリカの一流大学で学位を取得した者が多く、皆流暢に英語を話しますし、アメリカを嫌う理由など存在しないのです。もっとも、今回のように一方的に喧嘩を売られるような状況が続けば敵意も芽生えるかもしれませんが。

 

そんなわけで、現在中国政府は今回の貿易戦争に関して、決定的な打開策を打ち出せていませんし、今後もただじっと耐えるのみでしょう。のび太がジャイアンに殴られても家でしくしく泣くだけなのと同じです。もっとも、将来関係が逆転する可能性は十分あると思われますが。

 

中国国内における現実


最後に、やはりこれも再三書いてきたことではありますが、中国人の日常に関して少しだけ触れておきたいと思います。

 

「中国人はリッチ」、「爆買い」と日本のメディアは報じてきたわけですが、そんな中国人はごくごくごくごくごくごく一部。一般的な中国人は本当にびっくりするくらい貧しいです。私は中国の首都である北京で今これを書いているわけですが、その辺を歩いている人が来ている服のショボいことショボいこと。見るからに安物。その辺の食堂に入れば、皿も箸も使い古してボロボロになっているし、壁が剥がれていたりと、とにかく汚い。住居に関しても不憫に思えるレベル。とにかくボロボロ。北京でこれですから、中国の田舎になど私は怖くて行けません。基本的に国内出張は全て断るようにしています。

 

繰り返しますが、一般的な中国人は日本人が思っているよりもはるかに貧しいです。連中は極めて質素で慎ましい生活を送っています。「上澄み」という言葉では足りないくらいの極めて少数の者が富を独占しているだけです。

 

ですから、いきなりトランプ氏のような声のデカいのが殴りかかってきて、ただオロオロと困惑しているだけなのです。

 

えっ? 自分たち、何か悪い事したの?
ファーウェイのスマホは高くて買えないから、小米製を使っているのに、、、

 

今回の件に関しては、個人的には、中国の一般人民に同情します。
もちろん、一党独裁だけはどうにかして廃止して欲しいとは思っていますが。ただ、それも一般人民にどうこうできるようなレベルの問題ではありませんしね。

 

終わりに


私は基本的にはトランプ氏の事は好きではありませんが、彼のメディア批判に関しては同感な部分もあります。

 

日本人の多くは今回の件に関して、「ノリ」で中国批判を展開していませんか?
まあ気持ちはわかります。東洋人よりも西洋人の方が体格もルックスも優れているし、アメリカ発祥のカルチャーは実にクールです。私はブルースウィリスやトムクルーズのファンですが、中国の俳優の名前は一切知りません。houseやhip-hopを毎日聴いていますが、中国の音楽は一切知りません。ただ、それとこれとは別物なのです。

 

ニュートラルな視点で政治問題を考えることは決して容易ではありませんが、脊髄反射的に発言するのではなくて、まずは「ファーウェイの歴史」や「創業者一族の背景」からでもいいので、少し勉強してみてはいかがでしょうか?

 

SNSが台頭して以降、本当に無知な人が増えました。時間を割いて努力をする人が減りました。

 

その結果、何が起きるのか?

 

メディアや政府が人民をコントロールするのが容易になるわけです。

 

伝えたいことが少しでも伝わることを願いつつ、筆を置くことにします。
今回もお読みいただきありがとうございました。