元中国在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて中国に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系中国ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

今冬日本に入国した外国人はビジネス関係者ではなかったという現実

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日本には外国や外国人に関して無知な人がまだまだ非常に多いなと思う今日この頃。

 

日本の水際対策


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として緊急事態宣言が発出されたわけですが、当初は宣言下においても特定11か国(中国、韓国、ベトナム、タイなど)に関しては外国人の入国が許可されていました。例えば、中国に着目してみれば、日本人は中国への入国ができないにも関わらず、中国人は普段通り何の問題もなく日本に入ることができたのです。

 

chinalover.hatenablog.com


しかしながら、国内で相次いで新型コロナの変異種が発見されたこともあり、水際対策の強化を求める世論の高まりを受け、日本政府は特定11か国に関しても入国の一時停止を決断しました。

 

ビジネス関係者?


個人的には兎にも角にもあまりにも不平等な日中関係に疑問を持っていたのでこの措置には大賛成です。しかしながら、どうも報道やSNS上の情報を見ていると勘違いをしている人たちが多いことがわかり、それに関してはまた別の違和感を感じました。


どこのメディアも「ビジネス往来」という表現を用いていたため、日本の人たちは外国人の「出張による短期滞在」が多いものと思い込んでいたようで、「出張の名目でどうせ観光を楽しんでいるんだろ」なんて意見も散見されました。


しかしながら、現在中国が入国者に課しているルールを知っている者にとっては、ここ最近日本に入国した中国人がビジネス関係者などでないことは明らかなのです。


現在中国に入国する者には2週間の強制隔離に加え、地方自治体が各々別途1~2週間の隔離を課しています。短期出張などできるはずがないのです。更には現地では不要不急の移動の自粛要請が行われており、国内旅行すらできないのが現状です。

 

どんな人が入国したのか?


それでは一体どんな外国人が最近日本に入国したのでしょうか?


今日ようやく統計が発表されましたが、2020年11月1日から2021年1月3日までの約2か月間のデータによると、約33%が中国から、約30%がベトナムからで、そのほとんどは「留学」及び「技能実習」だったとのことです。


まあそんなとこだろう、、、と思ってはいましたが、いざこういうのを数字で露骨に知ってしまうと、なんだかなと思ってしまいます。


少子化により定員割れしている大学や大学院が日本には沢山あります。現代の日本人があまりにも仕事を選り好みするせいで、特に第一次産業においては深刻な労働力不足が大きな問題になっています。


そういう日本の現代社会における「穴」を我々は外国(特にアジアの貧国)の若者たちで埋めることによって、何とか社会を維持しているのです。


現在、日本政府を牛耳っているのは菅義偉内閣総理大臣ではなく、産業界及び中国との繋がりが極めて強い二階俊博自民党幹事長だと言われていますが、取り分け外国人労働者を必要とする業界からの強い要望があったのでしょう。日本の政治は一見ごちゃごちゃしているようで、「利権」という概念を理解すればさほど複雑な構造ではないことに気付きます。

 

歪な日本社会


各種メディアの報道を見ていると、「コロナ失業」とか「コロナで貧困」とか、そんな内容の記事が非常に多いわけですが、逆にこんな時でも労働力不足で困っているところは沢山あって、そこに充てがわれる外国人労働者が短期間で何万人も日本にやってきていたというのもまた現実なんですよね。


身近な例だと、日本のコンビニに行けば店員は中国人やベトナム人だらけなわけですが、中国やベトナムと日本では給与水準が何倍も違いますから、連中は数年日本で働き切り詰めた生活を送れば、本国に帰って家が買えます。


まあwin-winの関係である以上、問題がないと言えばないのかもしれませんが、何て言うか、将来のビジョンを持たないで漫然と生きている人が日本には本当に多いなと。夢を見るのが難しい社会であるということなのかもしれませんが、逞しいアジアの外国人たちを見ていると、日本人のフットワークには問題があるように思えてなりません。目の前のiPhone一つで満足できるならまあ好きにしたら良いとは思いますが、安い人生だなと。