元中国在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて中国に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系中国ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

中国で暮らし始めて1年が経ちました

f:id:superflyer2015:20180909195234j:plain


光陰矢の如し。

 

中国生活2年目に突入


月日が経つのは本当に早いもので、中国に移ってきて1年が経ちました。

 

まずは自分を軽く褒めてやりたいです。

よく発展途上国で1年間も生き延びたな、よく頑張ったな、、、って。

 

人生なんて高々80年、どんなに長生きしても100年程度でしょう。そう考えると1年間というのは結構長い時間なわけで、私はそれだけたくさんの貴重な時間を中国で消費したということにもなるわけです。それが良かったか悪かったか、そういったことに関しては私自身よくわかりません。ただ、自分の見識が大いに広がったのは確かですし、新しい人脈ができたのも事実です。ですから、「停滞」や「後退」ではなく、確かに「前進」できた1年間ではあったと思っています。

 

こうしている間にもどんどん時間が流れていくわけで、中国生活2年目に突入した今、とにかく色々なことを犠牲にした上で今ここにいるわけだから日々意味のある時間を過ごさなくては、そんな思いが強いです。

 

1年間で学んだこと


1年住んでみてわかったことですが、とにかくこの国の様々な側面を短時間で語ることなど絶対に不可能です。あまりにも巨大過ぎる国家ですから。言ってみれば、この国には何でもあるわけで、どこにフォーカスして話をするかで180度論調が変化してしまうわけです。

 

ということで、本当はオフ会でもやって、読者の皆さんとは酒でも酌み交わしながらじっくり語り合いたいわけですが、かと言って何も書かないわけにもいきませんから少しだけ。

 

中国を語る上でのキーワードは「スケール」と「超巨大ピラミッド」だと私は考えています。

 

まず前者ですが、国土も人口も日本とは文字通り桁が違います。何でもかんでもとにかく巨大。北京には人がたくさん住んでいますし、地価は非常に高いです。しかしながら、建物と建物の間には結構距離があり、例えばちょっとスーパーに行くだけでも結構な距離歩く必要があったりします。私は東京在住時も台北在住時も徒歩で移動することが非常に多かったのですが、北京ではそれはちょっと大変です。一言で言うと「東京や台北を思いっきり引き伸ばしたような街」なのです。ですから、東京や台北のような高密度な街での生活に慣れた人からすると、いくら首都北京であっても「建物の少ないスカスカな街」に見えるかもしれません。もちろん、逆の見方をすれば、東京や台北がごちゃごちゃし過ぎているだけとも言えるわけですが。

 

次に「超巨大ピラミッド」についてですが、要は社会構造のことです。政府のポリシーだけに注目すれば、日本は民主主義、中国は共産主義ということになりますが、実態経済に着目すれば、日本も中国もバリバリの資本主義社会です。資本主義社会においては「経済力=パワー(権力)」であり、競争原理が働きますから自然とピラミッド構造が出来上がります。分かりやすい例で言えば、経済力のあるものが会社を組織し、労働力を金で買って利益を上げ、経済が回るということです。ですから社会においては支配階層もいれば酷使されるだけの労働者階層も存在するわけです。ポイントは、中国ではこうして出来上がるピラミッドがとてつもなく巨大であるということです。このことは極限まで拡大された「貧富の差」を意味しますし、支配階層にのし上がった際に得られるパワーが絶大なものであることも意味します。

 

以上がまさに、「中国は一言では語れない」理由なのです。

 

このことを実感をもって理解できたことは、私のこの1年間の中国生活における大きな収穫であったと考えています。

 

中国生活はオススメか?


例えば日本在住のあなたが、「日本社会は今後衰退するだけだし、ビジネスチャンスを求めて中国に移住しようか検討しています。どう思われますか?」なんて私に聞いてきたとしましょう。

 

1年前の私であれば、この問いには答えられませんでしたが、今ならはっきりと自信を持って答えられます。私の答えは、、、

 

中国社会でアッパークラスに食い込めるバックグラウンドとメンタルの強さがあるのなら可能性はあると思います。もし「バックグラウンド」が微妙なら、積極的には勧められません。

 

何を言っているのかというと、「バックグラウンド」というのは主には「学歴」や「スキル」のことです。こちらの社会では、これらは特に重要視されます。要は、「客観的に証明された能力」の有無が重要になるのです。

 

もちろん詳細は分野に依りますが、学歴に関しては、最低でも大学院は出ていた方がいいです。うちの会社にも学部卒の社員は多分いません。スキルに関しては、「外国人」としてはっきりと露骨にカテゴライズされる以上、世界共通語である英語を流暢に使えることは最低限必要です。うちのような中小企業であっても、英語が使えないような人はそもそも入れません。ここまではミニマムで、その上で各種ビジネススキルや法律関係の知識、プログラミングのスキル、外国人有力者とのコネクションなどが価値として上乗せされていくわけです。

 

ですから、日本のような小国でアッパークラスに食い込めない人がこちらに来ても、活躍するのは多分難しいかと思います。そのくらい中国社会における競争は厳しいです。

 

私は当初、中国なんて所詮コネ社会、上手く立ち振る舞える者が上手い汁を吸っているのだろう、なんて思っていたのですが、現実は違いました。ガチのアッパークラスにいる連中はものすごく頭がいいです。しかも勤勉で禁欲的。連中を欺くことなどできません。

 

ですから個人的には、自分の能力に自信がある人にこそチャレンジしていただきたいなと思っています。世界最高レベルの競争が楽しめるはずです。

 

今後のこと


当ブログでも過去何度も書いていますが、私はそろそろ長きに渡る海外生活に終止符を打ち、日本で落ち着きたいと考えています。

 

今回はちょっとした節目ですから本音を書きますが、どうしても結婚したい、というか子供が欲しいのです。あとは、色々とこの目で見てきて、実際に経験をしてきた今、日本への思いが非常に強くなってきています。ですから、日本に帰って家庭を築いて、残りの人生、日本の空気を吸って生きたいなと。

 

人生における後半のステージに突入して既にだいぶ経つ人生の先輩として、おそらく私よりは若いであろう読者の皆さんに言いたいわけですが、人生なんて本当にあっという間です。今日できることは、多少睡眠時間を削ってでも今日やっておいた方がいい。「いつか機会があったら訪れてみたい場所」があるのなら、すぐに貯金の計画を立てて生活費を切り詰め、少しでも早く訪れた方がいい。好きな人がいるのなら、少しでも早く思いを伝えた方がいい。何でもかんでも前倒しにすることで、また次の「何か」に使える時間ができるわけですから。

 

私は今後どうなるのか、現時点では全くわかりません。

 

ただ、これまで望んだものなんて何も手に入らない人生でしたから、まだまだ厳しい時間が続くのかもしれません。

 

期待して裏切られるくらいなら、極力結果を意識しないようにして、淡々と日々のタスクをこなすことに専念した方がいいのかも、、、なんて思う今日この頃です。