元中国在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて中国に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系中国ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

中国人は日本に入国できるのになぜ日本人は中国に入れないのか?

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日本のメディアは報道しない不平等な日中関係、、、

 

フェイクニュース


日本政府は2020年12月26日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する水際対策の強化を目的とした、外国人の新規入国の一時停止を発表した。

 

本年10月1日から、防疫措置を確約できる受入企業・団体がいることを条件として、原則として全ての国・地域からの新規入国を許可しているところですが、本年12月28日から明年1月末までの間、この仕組みによる全ての国・地域(既に12月23日及び25日に決定を行っている英国及び南アフリカを除く)からの新規入国を拒否することとなります。


この件に関する各種メディアの報道を目にし、「やっと日本は鎖国を決めたのか、遅過ぎるくらいだ」などといった感想を持った日本人が多いようだが、はっきり言ってほぼ全てのメディアの報道は間違っている。というか、重要な情報がごっそり抜け落ちているのだ。


実はこの「新規入国拒否」は、「ビジネス・トラック及びレジデンス・トラックによる入国者及び帰国者」には適用されない。早い話、中国人や韓国人は全く問題なく日本に入国できてしまうのだ。さらに言うと、レジデンス・トラックで入国する場合にはPCR検査すら受ける必要がない。もはや「水際対策」などあってないようなものなのだ。

 

中国への入国は可能?


中国に着目してみよう。中国では市中感染はほぼ完全に近い形で抑え込まれているため、そういう国からの入国者にはPCR検査すら必要ない、という考え方はまあわからなくはない。


しかしながら、個人的にどうしても腑に落ちないのは、その「逆」の話である。ざっくり言えば、現在日本人の中国入国は実質的に「ほぼ不可能」なのだ。正確に言うと、表向きには、つまり中国政府が定めているルール的には、日本人は「乗務」、「科学技術」、「経済貿易」、「人道的な理由」に該当すれば入国できることになっている。なので例えば「経済貿易」に該当する日系企業の会社員であれば入国できそうなものなのだが、これは実際にはほぼ無理。肝になっているのは入国のための手続きで、目的地の地方自治体が発行した「招聘状」が必要なのだが、多くの地方自治体はまるで申し合わせたかのように、この書類の発行を拒否している。


ということで、現在、日本人の中国入国は実質的にほぼ不可能。多くの日本人にとってはこれは関心事ではないのだろうけれど、私には現在中国に戻れずに困っている日本人の友人知人が複数おり、この不平等な日中関係を大変遺憾に感じている。

 

弱くなった日本


近年の日中関係を見ていて思うわけだけど、日本は本当にびっくりするくらい弱い国になってしまった。


そもそもなぜ上述のような状況になってしまっているのかといったら、それは「中国は特に日本人を必要としていない」のにも関わらず「日本は中国人を必要としている」からだ。


例えば、日本の大学や大学院に目を向けてみればわかることだが、中国人留学生が近年すごい勢いで増えている。少子化の影響で、日本人だけでは定員を満たせない大学が増えているのだ。チェーン系の飲食店やコンビニの店員は中国人だらけ。あの手の労働を嫌がって避ける日本人が多いからだ。その結果、日本にいる中国人には皆学籍や職がある一方、無職で困窮する日本人はなぜか増えている。私がコンビニのオーナーなら、文句ばかり言ってろくに働かない日本人よりも、黙って長時間一生懸命働く中国人を雇いたい。現代の日本人、特に若者に言えることだが、皆本当にびっくりするくらい労働意欲というか、カネへの執着、生きることへの執着がない。


そういった背景もあって、日本の国力は低下の一途を辿った。


肌感覚として、3割くらいの日本人は今でも世界的に見れば非常に裕福だと思う。しかし、特に元来「中流」と呼ばれていた人たちの経済力はすごい勢いで落ちていっている。


それも日本人が選んだことなのだから、まあ仕方がないのかな、、、なんて思ったりもするけれど、この手の立場の逆転というのはやはり何とも残念なことだなと。