元中国在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて中国に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系中国ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

(14+7+7)どんどん延びて行く隔離日数。もう日本人は中国には入れないのか?

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日々強化される中国の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策。

 

隔離日数の延長


昨日、2021年1月19日、北京市政府が新型コロナに関する水際対策を強化し「14+7+7」ルールを適用すると発表しました。


どんなルールかというと、「外国から北京首都国際空港に到着したらまずは14日間の集中隔離、その次の7日間は自宅隔離または集中隔離、その次の7日間は健康モニタリングを実施」、「中国国内の他の空港から入国した場合は入国日から満21日となって初めて北京市内に入ることができ、北京に入った後に7日間の健康モニタリングを実施、21日間に満たない場合は北京に入った後に7日間の自宅隔離または集中隔離を行い、その後に7日間の健康モニタリングを実施」というものです。


最近中国では「2週間の隔離では心許ない」という考え方が広まっているようで、標準的な隔離期間を2週間から3週間に変更したということです。


「北京だけの話でしょ?」なんて思われた方もいるかとは思いますが、北京のルールは中国のルール。多くの地方自治体はこれに倣って同様のルールを課すことにしたようです。

 

現在の感染状況


本日China Dailyが発表した最新情報によると、中国では新たに88人の市中感染者が見つかり、空港検疫等も合わせると計103人の感染者が新しく確認されたとのこと。


日本の新規感染者数は最近は連日5,000人程度で推移していますから、人口の違いを考慮すると、中国の新規感染者数は日本の500分の1程度ということになります。相対的には「ほぼゼロ」と言っても過言ではないくらいの感染者数だと思います。しかしながら、中国では昨年の夏と秋の間、市中感染者がゼロの日が非常に多かったこともあり、100人は「ものすごく多い」と解釈されるのです。


中国で実施されている水際対策というのは日本のそれとは全く異なる次元のものです。外国から到着したら防護服姿のスタッフに誘導されて隔離ホテルに直行し2週間の強制隔離。日本で課されているような各人の良心に任せた「自己隔離の要請」とは全く異なります。


ただ、そこまでやっていたにも関わらず市中感染が発生してしまったわけで、新型コロナの完全な封じ込めがいかに困難であるのかが本当によくわかります。

 

もう中国には入れない?


「まあでも3~4週間の隔離を受け入れれば入国可能なんでしょ?」と思われた方もいるとは多いますが、現在はビザの発給も実質的にほぼ停止中です。「ほぼ」と言っている意味は、身分によっては取得可能ということです。例えば、先日WHOの調査団が武漢入りしたわけですが、ああいった特別な人たちならもちろん入国可能です。ただ、一般的な会社員等ではビザ申請はまず通らず、多くの外国人が現在足止めされているのが現状です。


私の友人知人には日本で中国ビザの発給再開待ちをしている人が何人もいますが、一体いつになったら彼ら彼女らは中国に入れるのでしょうか。来月には旧正月休みが控えていますから、2月中のビザ発給再開は絶対にあり得ません。3月中も難しいでしょう。市中感染者数がゼロになっていれば進展があるかもしれませんが、2月下旬の旧正月休み明けに民族大移動が控えているわけで、3月を市中感染者ゼロでやり過ごすことなどまず不可能でしょう。それに、3月には日本の国会に相当する全人代が控えていますから、この点から言っても入国制限の緩和は現実的ではないでしょう。


外国人へのビザ発給再開は、どんなに早くても4月以降になるのではないでしょうか。


市中感染者がたった数人出ただけで大騒ぎになり、場合によっては街ごとロックダウンの措置が取られるのが現在の中国です。春以降どうなるかも誰にもわかりません。

 

コロナ禍が始まり1年が経過


新型コロナの蔓延が日本のニュース番組で取り上げられるようになってから既に1年が経過しました。


中国は2020年3月に発給済みのビザ及び居留許可を無効にして以降、ずっと事実上の「鎖国」を続けています。中国国内では新型コロナ封じ込めにほぼ成功した状態が続いていますし、経済もプラス成長に戻っています。しかしながら日本はと言えば、、、酷い有り様です。「新型コロナはただの風邪」と割り切って2019年までと同じ生活を送るならまあそれはそれで一つの方法なのだとは思いますが、その割には中途半端な水際対策をずっと続けていますし、緊急事態宣言なるものも発出されています。日本政府は現在、不要不急の外出自粛を国民に要請しているようですが、守る人も守らない人もたくさんいるようです。一体日本人はどっちの方向を向いているのか、私にはよくわかりません。


2021年もこんな感じでダラダラと時間だけが過ぎ去っていくのでしょうか?


私は長年海外をフラフラしながら生きてきました。そういう生き方が大好きなのです。なのでもう、現在のような世の中は息苦しくて仕方ありません。


「グローバリゼーション」とか「インバウンド需要」がどうとか、「日本の観光立国化」とか、そういったものがいかに脆弱だったのかが本当に痛いほどよくわかりました。もっと言えば、「海外旅行」なるものも今となってはもはや夢のようなものにすら思えます。


モデルナのCEOも言っている通り、新型コロナウイルスはどうにかしてこの世界から消し去ることのできるようなタイプのウイルスではありません。「共生」以外の道などそもそも存在しないのです。


なのになぜ、我々は未だに国を跨いだ移動ができないのでしょうか?


ワクチンを接種したところで重症化リスクが減るだけで感染自体はします。他人に感染させる能力は保持されます。一体どうなったら再び国を跨いだ移動ができるようになるのでしょうか?


私はもう、こんなブログは閉鎖して、パスポートはゴミ箱に捨てて、何か新しい趣味でも探すべきなのでしょうか?