元中国在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて中国に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系中国ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

中国の北京における物価と生活コスト

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今回は中国の北京における各種物価や生活コストについて書いてみたいと思います。

 

多過ぎる誤情報


まず、今回このような内容の記事を書こうと思ったきっかけから始めたいと思います。

 

近年はブログブームですから、中国在住日本人によるブログも非常に多く存在しています。ですから、中国関係の情報を検索すると頻繁に在住者のブログがヒットするのですが、偏った情報の多さに非常に驚きます。

 

例えば、ある方のブログにはこんな記述が、、、

 

北京の物価は日本よりも高く、ランチでも1,500〜2,000円程度かかります。

 

一体この人は日々何を食べているのでしょうかね。あまりにも現実との乖離が大きくて唖然としました。

 

もちろん、東京にだって2,000円のランチは存在するでしょうし、5,000円のランチが食べられるお店だってあります。ただ、我々はそれは「普通」だとは考えないわけです。北京でも東京と同じで、600〜800円程度出せば十分標準的なランチが食べられますし、地元民が行くような食堂なら400円かからないくらい、社員食堂や学生食堂なら250円くらいです。

 

ということで、今回は北京に絞った上で、もっと現実に則したリアルな数字をご紹介したいと思います。

 

北京の物価


結論から先に書くと、物価全般に関しては東京よりも基本的には安いです。ただ、輸入品は明らかに高いです。ですから、「日本にいた時と同じようような生活をするとすごくお金がかかる」ということになるのです。

 

例えば、醤油一つとっても、中国産の商品は明らかに安いです。ただ、北京なら日本からの輸入品も普通に買うことができ、これは中国産の5〜6倍くらいの価格です。

 

飲食全般に関しては、基本的には東京と比べて安いと言えるかと思います。東京でラーメンは一杯700〜800円くらいしますが、北京で牛肉麺一杯は400〜600円程度です。500mlのミネラルウォーターが約1.5元(約25円)、600mlのペットボトルのコーラが約3元(約50円)ですから、飲み物は非常に安いです。ビールに関しても、500mlの缶ビールが約8元(約130円)ですからすごく安いです。そういった意味では、現地での生活に慣れると、「飲み物に比べて食べ物が高い」と感じるようになるかもしれません。

 

ちなみに、私は現地人が行くようなお店で現地人と同じようなものを普段食べていましたから、毎食25元(約410円)程度では済んでいました。牛肉麺を食べたり、水餃子を食べたりすることが多かったです。

 

次に生活必需品についてです。ティッシュペーパーやトイレットペーパーは商品によってかなり値段に差があるので難しいところなのですが、ざっくり言って東京と似たような価格水準です。シャンプーやボディソープ、洗剤等は、中国製のものは安いです。日本のTSUBAKIなんかも買えますが、シャンプーが確か約100元(約1,650円)くらいですから高いですね。

 

衣類や靴に関しては、買ったことがないので実はよく知りません。ただ、日本人なら日本で買って持って来れば良いかと思います。地理的にとにかく近いですからね。

 

あとは、家電なんかは明らかに東京よりも安いです。そもそも日本で売られている家電なんてほとんどが中国製ですしね。

 

とまあそんな感じなので、全体的に言えば、輸入品をたくさん使うような生活をしない限り、つまり現地人と同じような生活をしている限り、北京の物価は東京と比べて安いと言えるかと思います。そもそも給与水準が東京と北京では全然違いますから、当たり前と言えば当たり前なんですよね。

 

北京における生活コスト


ここでは家賃や光熱費、公共交通機関の利用料、通信費について書いてみたいと思います。

 

まず家賃ですが、これはもうピンキリなので何とも言えません。ただ、ざっくりでよいのであれば、東京よりも少しだけ安いと言えるかなと。そもそも駐在員なら会社から全額支給されるのが普通ですし、現地採用の場合でも会社がアパートを持っているケースが多いため、あまりお金はかからないかと思います。私は現地採用でしたが、月の家賃は約1,000元(約16,500円)でした。東京で働いていた時には木造のボロアパートに毎月7万円程度払っていましたから、雲泥の差だなと。ただ、北京市内でマンションを買おうなんて思ったら日本円で億円レベルの話になります。中国経済は近年急速に発展したため、20年前は数百万円で買えた物件がどれも1億円以上に急騰したそうです。

 

なお、光熱費に関してはもう日本人からしたらタダみたいなものです。電気、ガス、水道どれも毎月日本円で数百円程度でしたから、正確な額すら覚えていません。これらはもう誤差みたいなものなので気にする必要がないかと思います。逆に、北京に住んでから東京に戻るとあまりのギャップに驚きます。

 

次に公共交通機関の利用料についてですが、東京と比べてすごく安いです。バスは利用したことがありませんが、地下鉄の運賃は結構な距離乗っても数元ですから、家計全体で見たらやはり誤差みたいなものかなと。エアポートエクスプレスは25元(約410円)なので少し高めですが、日本の成田エクスプレスや京成スカイライナーに比べたら非常に安いですね。あとは、タクシーも安いです。1時間乗って150元(約2,470円)程度ですから、気軽に利用することができます。

 

通信費についても書いておきたいと思いますが、私の毎月の携帯代は約90元(約1,480円)でした。これで十分な量の4G通信と確か10時間分くらいの無料通話が可能です。安いですよね。

 

ということで、総合すると生活コストは東京よりもだいぶ低くなるかと思います。鍵を握るのはやはり家賃なので、現地採用の場合は会社側からの補助の有無を事前に確認することを強くお勧めします。留学の場合は、大学の寮に住んだりルームシェアをしたりするのが一般的なので、やはりあまりお金はかからないかと思います。

 

まとめ


以上、私が知っている範囲でざっと書いてみましたが、とにかく北京での生活にはあまりお金がかかりません。固定費をすごく抑えられるので、一人暮らしでかつ贅沢をしなければ、現実的には家賃以外に月6〜7万円程度あれば日本人でも十分暮らせる気がします。繰り返しますが、とにかく問題は家賃です。もっとも、全額自分で払っているという外国人はそうそういないとは思いますが。

 

ただ、断っておきますが、これはあくまで「標準的な現地人と同じような生活をした場合」の話です。外国人が集まる街中のお洒落なビアバーでベルギービールを飲めば小さめのグラス1杯が約60元(約1,000円)です。おそらく、ブログに「北京の物価は高い!」なんて書いている人たちは、そういった場所に頻繁に通っているような裕福な層なのではないでしょうか。

 

ちなみに、北京における月収の平均は約1万元(約165,000円)だと言われています。ただ、中国について語る際には、あまり「平均」に意味はないような気がします。大富豪が山ほどいれば、月収3,000元(約49,000円)で働いている人も山ほどいるような街ですから。

 

ついでにもう少し書いておくと、日本人がこちらで暮らす場合、「日本関係で必要なお金」についても考える必要があります。一時帰国に必要な費用や日本で健康保険証を持ちたい場合の保険料、年金保険料などのことです。私の場合、年に数回は一時帰国していましたが、その際には結構買い物をすることが多く、後でクレジットカードの明細を見て青くなることが多かったです。ですから、「北京生活には月収いくらあれば足りるのか?」と日本人の方に聞かれても、なかなか正確に答えるのが難しいんですよね。当人のライフスタイルに強く依存した話ですから。

 

とまあそんな感じで本当に一般論を述べるのが難しいので、もしもっと詳しい話を聞きたい方がいらっしゃいましたら、Twitter(檸檬紅茶 (@superflyer2015) | Twitter)経由で直接質問していただけたらと思います。