元中国在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて中国に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系中国ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

中国からのVPN接続は「かべネコVPN」で決まり! Shadowsocksも利用可能な安心安全の国産プロバイダーで快適なインターネットライフを!

f:id:superflyer2015:20190914201708p:plain


中国滞在における必須アイテムとも言える「VPN接続」なわけですが、やはり日本語で利用可能な日本のプロバイダーを利用したいというのが日本人の本音ではないでしょうか。

私はここ数ヶ月間は主に「かべネコVPN」という国産のサービスを利用しているのですが、数ヶ月間使用してみて非常に優れたプロバイダーだと感じましたので今回当記事にてご紹介したいと思います。

 

インターネット規制


既にご存知の方も多くいらっしゃるかとは思いますが、この世界には「インターネット規制」というのが存在します。


特に社会主義国家である中国ではこの規制が厳しく、簡単に言うと要は、中国では政治的なポリシーにより国内ではブロックされていて使用ができないwebサービスが色々とあるのです。例えば、「Gmail等のGoogleが提供するサービス全般」、「LINE」、「Facebook」、「Twitter」、「Instagram」などは基本的に使用ができません。


また、ここが盲点になっているケースも多いのですが、実は日本の会社の中には独自にインターネット規制をしているところも決して少なくありません。どういうことかと言うと、海外からのアクセスをブロックしている会社が結構あるのです。


そんなわけで、日本から海外に出て、普段使っているwebサービスやアプリを現地で使用しようとしたところ「繋がらない」といった問題が生じることはよくあります。特に中国のネット規制は官製であり、ブロックされているサービスも非常に多いので、中長期の駐在時はもちろんのこと、短期出張などの際にも不便に感じることが多いかと思われます。


しかしながら、そんな規制であっても回避する方法は確立していますので、渡航前にちょっとした知識を頭に入れ、簡単な準備をしておけば全く心配ありません。

 

ネット規制の回避方法


ここでは、中国からのアクセスを前提としてネット規制を回避する方法をご紹介したいと思いますが、基本的には「特殊な接続方法を使用する」ことで回避が可能となります。


具体的な接続方法には、大きく分けて以下の二種類があります。

 

  • VPN
  • Shadowsocks


一つ目の「VPN(Virtual Private Network, 仮想専用線)」による接続というのは、イメージ的には規制のない場所(香港、日本、台湾、韓国など)まで中国政府に見つからないようにトンネルを掘って進み、その場所からインターネットにアクセスする方法です。この方法はだいぶ前から存在しているのですが、現在でも利用している人が多いです。デメリットとして、「通信速度の低下」がありますが、VPN接続と一言で言っても様々な通信プロトコルが存在するため、後者のShadowsocksよりも繋がりやすい状況がたまにあります。


二つ目の「Shadowsocks」による接続ですが、これはオープンソースソフトウェアを利用したプロキシによる接続のことであり、比較的新しいテクノロジーです。これを開発した中国人エンジニアは中国政府の圧力により開発を中止し、現在はアメリカで暮らしているようですが、何分オープンソースですから、開発自体は他のエンジニアによって現在も続いています。この接続方法の最大のメリットは何と言っても「接続の速さ」と「通信速度の速さ」です。VPN接続とは異なり瞬時と言っても過言ではないくらい素早く繋がりますし、通信速度の低下がVPN接続と比べると相対的にかなり小さいです。


そんなわけで、私は普段基本的にはこのShadowsocksのみを使用しており、VPN接続は利用していません。私は現在北京にいるのですが、Google系のサービスもちろんのこと、LINEやTwitterなども問題なく使用できています。実際のところ、常に接続しっ放しにしているため、そもそもネット規制があること自体普段あまり意識することはありません。

 

接続プロバイダー


ということで、ここからは「VPN」及び「Shadowsocks」に関する具体的な利用方法に関してですが、基本的にこれらは「プロバイダー」と契約し利用料を支払うことで利用が可能となります。


私は過去に幾つかの会社のサービスを試した経験があり、それらに関しては以下の記事でご紹介しています。

 

sfcmiler.hatenablog.com


こちらの記事にある通り、実は私は数ヶ月前までは「UCSS」という韓国のShadowsocks専用プロバイダーを主に利用していました。しかしながらその後、「かべネコVPN」という国産のサービスがあることを知りまして、そちらに乗り換えました。

 

今日に至るまで実際に数ヶ月間「かべネコVPN」を利用してみたのですが、非常に快適に使えていますので、今回ご紹介しようと筆をとった次第です。

 

かべネコVPN


ということで「かべネコVPN」のご紹介ですが、とりあえず当記事執筆時点(2019年9月14日時点)では、ここがおそらく日本人にとってのベストな選択肢だろうと私は考えています。その理由なのですが、以下のようなアドバンテージがあるからです。

 

  • 安心安全の国産プロバイダー
  • VPNとShadowsocksの両方が利用可能
  • 低価格
  • カスタマーサポートが充実


順番に見ていきたいと思いますが、やはり何と言っても日本の会社が提供しているサービスであるという点が大きいです。「株式会社エフネット」という神奈川県座間市に本社がある会社が運営しており、サーバーは東京と大阪にあるそれぞれ別会社のデータセンターのものを利用する形になっています。当然ながらプロバイダーは接続ログを保存していますから、やはり日本の会社の方が心情的には安心できる気がします。また、もちろん完全に日本語で利用できますから、外国語が苦手な方にとってはこの点も非常に大きなメリットと言えるかと思います。


なお、「かべネコVPN」という名前ではあるももの、VPNだけではなくShadowsocksも利用可能です。私は専らShadowsocksで通信していますが、非常に安定していますし速度も十分です。また、VPN接続に関しては、「OpenConect」や「IKEv2」といった非常に信頼性の高い通信方式に対応していますから、「規制が強化された場合でもとりあえずどれかでは繋がる」と言えるかと思います。実は、今年の6月に一時的に非常に強い規制がかかり、その際にはShadowsocksは残念ながら繋がらなかったのですが、IKEv2では問題なく通信が可能でした。なので、こちらのプロバイダーを利用する場合、基本的にはShadowsocksを利用し、規制強化等で繋がらない場合には適宜VPNを使用、といった形になるのかなと思います。VPN接続に関して言えば、やはりある程度の速度低下はありますが、動画のストリーミング視聴等を除けば十分な速度が出るケースが大半かと思われます。


次に利用料に関してですが、他のプロバイダーに比べると全体的に安く、以下のようなプランが設定されています。

 

f:id:superflyer2015:20190914204420p:plain


実はこちらのプロバイダーでは「ポイント制」を採用していて、使わなかった日に関しては自動繰越されるというユニークなシステムになっています。しかも、現時点ではShadowsocksとIKEv2方式での通信時にはポイントは減らないルールになっているため、Shadowsocksをメインで使っている私のようなケースだと、どのプランにしても実質的には1.5倍の期間使えることになります。他のプロバイダーであれば、1年プランであっても月1,000円程度は普通にかかりますから、この料金設定は破格と言えるかと思います。1ヶ月プランでも十分安いと思いますが、12ヶ月プランが本当にちょっとびっくりするくらい安いので、在住者は当然として、出張等で年に何度も訪中される方などは、もう躊躇わず12ヶ月プランにしてしまった方が楽な気がします。12ヶ月と言っても、実際にはこの額で1年半もの期間利用できるわけですから。


最後に、カスタマーサービスの質に関して個人的感想を少し書いておきたいと思います。こちらの会社は適宜メールで最新情報の提供をしてくれるのですが、個人的にはそこに非常に好感が持てます。私は過去に他の数社のサービスを利用しましたが、大規模規制がかかった際などであってもメールでの情報提供などは一切なく、不満に感じることが少なくありませんでした。また、こちらのサービスは最近利用者が増えているようで、サーバーの増強に関しても積極的に取り組んでいるようですから、やはり安心して利用できるのではないかなと。他にも、こちらから気軽に問い合わせができる環境が整っている点もやはりユーザーとしては心強く感じます。

 

まとめ


ということで、今回は北京在住管理人のイチオシVPN(&Shadowsocks)接続プロバイダーである「かべネコVPN」をご紹介させていただきました。


日本人であれば、もう基本的には迷わずこちらのサービスを利用すれば良いかと思います。北京にいる外国人たちに関して言うと、アメリカの会社が提供している「ExpressVPN」を利用している人が非常に多いのですが、Shadowsocksでの通信はできませんし、今年の6月の大規模規制の際には全く繋がりませんでした。そういった個人的な経験から言っても、こちらのサービスの利用が日本人にとっては最適解だと思います。


2週間の無償試用期間が設定されていますから、興味のある方はまずは公式サイトをチェックした上で、とりあえず無料で試してみると良いのではないでしょうか。


なお、私は基本的には普段北京にいますが、北京は中国国内でも特別規制の厳しいエリアであり、北京から繋がれば他の都市からも繋がる可能性が非常に高いです。特定のアプリの動作状況など、簡単なチェックならいつでもできますので、必要な方はTwitter経由(https://twitter.com/superflyer2015)でご連絡いただけたらと思います。


今回は中国滞在中にのみ重要になる話ではありましたが、近年ビジネス等で中国を訪れる日本人は非常に多くなってきていますので、当記事がそういった方々にとって少しでも参考になれば嬉しいです。

 

(※2020年4月16日追記)

かべネコVPNさんが「Trojan-GFW」という規制に強い新しい通信方式による接続サービスを日本の業者で初めて提供する旨発表がありました。現時点で既に利用可能な状態になっています。