元中国在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて中国に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系中国ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

中国で稼いだお金を国外に持ち出す効率の良い方法

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(※2020年4月12日追記)

当記事の内容は古くなっているため新しく書き直しました。以下の記事をご参照ください。

chinalover.hatenablog.com

 


中国で働いていると面倒に感じることが幾つかあるのですが、今回はそのうちの一つ、国内で得た給与の国外持ち出しについての話です。

 

厳しい制限


中国で働いている外国人は決して少なくないわけですが、その場合はもちろん給料は人民元でもらうことになります。そして、もちろん多くの外国人は数年程度働いたら本国へ帰るのが一般的であり、それ以外にもたまに一時帰国もしますから、国内で稼いだお金を国外に持ち出す必要に迫られるわけです。

 

しかしながら、中国政府はこれを「富の流出」と捉え、非常に嫌がっています。つまり、国内で稼いだお金は国内で消費してもらうことを強く望んでいるわけです。まあでも、本国に家族を残してきている人なんかも決して少なくないわけで、お金を持ち出さざるを得ないという人も多いわけです。それに、そもそも自分で働いて稼いだお金ですから、自由にできないのはおかしいとも言えます。

 

しかしそこは中国。どんな感じの嫌がらせをしているかと言うと、主に二つです。
まずは「持ち出し額の制限」です。現在、国外に持ち出せる現金は人民元が2万元まで、外貨は5,000米ドル相当額までに制限されています。
そして次に、「両替所における劣悪なレート設定」です。両替所には、買いレートと売りレート(つまり、人民元を売って外貨を買うのか、外貨で人民元を買うのかでレートが異なる)の設定があるわけですが、その間に大きなギャップがあるわけです。このギャップの分はそのまま両替商の利益になるわけです。すごく大雑把に言い換えれば、両替するとそれだけ損をするということです。

 

具体的な例を見てみましょう。
最近、北京首都国際空港にある両替所にて日本円売買のレートを確認してみたところ、以下のような結果でした。

 

  • 日本円で人民元を買う場合:1元=19.27円
  • 人民元で日本円を買う場合:1元=16.21円

 

つまり、日本円で1元購入するために19.27円支払い、その後でそれを日本円に両替すると16.21円に目減りしてしまうということです。はっきり言って、この差が他国ではあり得ないくらい大きいです。ざっくり言えば、20%近く抜かれているということになるわけですから。

 

ということで、普通に両替する以外に何か良い方法はないものかと、在住者としては思うわけです。

 

いくつかの方法


先に結論を書くと、国内での両替以外には以下の二つの方法があります。

 

  • 香港の両替所で両替する。
  • 中国の銀行のキャッシュカードを用いて日本のATMで日本円を引き出す。

 

まず一つ目の香港での両替ですが、びっくりするくらい良いレートで両替が可能です。人民元を日本円にするためには、まず人民元を香港ドルにし、さらにそれを日本円に両替する必要があるため、二度手数料を取られることになるわけですが、それでもロスを最小限に抑えた両替が可能です。

 

最近のレートで試しに計算してみたところ、1万元を日本円に両替する場合だと以下のような結果になります。

 

  • 中国(大陸)の両替所で両替:約164,000円
  • 香港の両替所で両替:約170,000円

 

結構違うことがわかりますね。
ただもちろん、この方法で両替するためには香港まで足を運ぶ必要がありますから、両替する額次第と言えます。日本円で100万円を超えるくらいの額になってくると、少しずつメリットが出てくるような気がします。

 

第二の方法は、中国の銀行のキャッシュカードを用い、日本のATMで預金を日本円として引き出す方法です。中国の銀行のキャッシュカードは基本的に全て「中国銀聯(UnionPay)」の国際デビットカードになっていますから、日本のセブンイレブンにあるセブン銀行のATM等で預金が引き出せるわけです。

 

ただ、注意しなければならないのは、このサービスを使うと中国の銀行から手数料が抜かれますし、中国のキャッシュカードのICチップの規格は特殊であるため、一部の「磁気ストライプのないICチップのみのカード」は日本では現在使えません。例えば、中国4大銀行の一つに「中国工商銀行」というのがあるのですが、そちらで現在新規に口座を作ると、特殊なICチップが載った磁気ストライプ無しのキャッシュカードが発行され、残念ながらこれは日本では使えません。

 

もちろん、日本で使えるキャッシュカードを発行してくれる銀行に口座を開設すれば問題ありませんから、この方法を試したい方は、まずご自身のキャッシュカードが日本で使えるものか確認してみると良いかと思います。手数料は銀行によってかなり差があるので個別に言及するのは避けますが、検索すれば詳しく紹介しているサイトが簡単に見つかるはずです。

 

香港での両替には勝てないケースが多そうですが、普通に国内の両替所で両替するよりは良いレートで日本円にすることができます。ただ、海外での引き出しは年10万元までに制限されているという話を聞いたことがあるので、それを大きく超える額を両替したい場合には微妙かもしれません。

 

あともう一つだけ、これはおまけですが、第三の方法というのがあります。それは台湾での両替です。実は台湾の銀行の両替レートは非常に良心的で、人民元絡みも有利なレートで両替が可能です。私は最近、出張で台湾に行く機会があったので、1万元を現金で持って行って現地でまず台湾元に両替し、それをさらに日本円にしてみたところ、「約168,000円」になりました。香港の両替所には負けますが、中国国内で両替するよりもだいぶ得できたと言えるのではないでしょうか。まあただ、やはり台湾まで足を運ぶ必要がありますから、訪台の予定があれば、、、という感じにはなってしまいますね。

 

まとめ


以上簡単に紹介してみましたが、現実的には、現在手元にあるキャッシュカードが日本で使えるものであれば、それを使って日本で預金を引き出すのが最も簡単にお金を移す方法だと思います。

 

あとはまあ、、、泣く泣く極悪レートで両替するしかないのかなと。

 

私の場合、陸マイラー活動をしているため、航空会社のマイルをある程度保有しており、かつ旅行が大好きなので、現金がある程度貯まったら香港まで行ってこようかなと思っています。「SPGアメックス」というクレジットカードを普段メインカードにしていて、それのポイントでホテルの無料宿泊も可能なので、その辺りを利用すればほとんどコストをかけずに「両替旅行」ができそうな気がします。もっとも、香港には「自由」がありますから、現地でテンションが上がって余計なことにお金を使ってしまいそうな気もしますが、、、(笑)

 

sfcmiler.hatenablog.com

 

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ということで、こういった部分が中国生活において本当に厄介なところではあるわけですが、現代人にはネットというツールがあり、情報収集は容易ですから、いつだってきっとどこかに答えはあるのかななんて思っています。