元中国在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて中国に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系中国ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

中国の両替事情と仮想通貨

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いきなりですが、最近流行りの仮想通貨投資を私も始めてみました。
もっとも、早速保有中の通貨が盗まれてしまいましたが、、、

 

仮想通貨盗まれました


ニュース等の報道で御存知の方もいるかとは思いますが、昨日、2018年1月26日、日本の仮想通貨取引所である「Coincheck」がハッキング被害に遭い、顧客がこちらの取引所に預けていた「ネム(NEM、単位はXEM)」という仮想通貨がほぼ全て盗まれてしまいました。なんと580億円相当ということで、これはとんでもない事件です。

 

そして実は、、、私もそこにネムを預けていました。昨年の年末に仮想通貨に興味を持ち、年始に実際に仮想通貨を購入してみたのですが、一ヶ月も経ってないうちに盗まれてしまうとは、、、やっぱり今年も私には金運がないようです、、、

 

chinalover.hatenablog.com

 

まあもう少し詳しい話を聞きたい方は、是非以下の記事をお読みください。

 

taiwanlover.hatenablog.com

 

sfcmiler.hatenablog.com

 

以下、中国絡みの話を少しご紹介したいと思います。

 

仮想通貨と中国


日本も仮想通貨取引に関しては現状規制が緩く、非常に「アツい国」ではあるのですが、世界的に見れば、やはり仮想通貨と言ったら中国です。

 

仮想通貨の根底には「ブロックチェーン」という非常に新しい技術があり、今後様々な形で応用されることが確実です。従って仮想通貨の技術面にスポットライトを当てれば、単に「通貨」としての価値がそこにあるだけではなく、「未来の社会インフラ」としての側面が大きいことがわかります。

 

ただまあ、そうは言っても、もちろん通貨としての利用だけ見てもなかなか面白いのは事実です。特筆すべきはやはり「国際送金」の手段としての利用です。

 

私は現地採用ですから、当然給料は人民元で受け取っているわけですが、一時帰国の際などには日本での滞在中に使用する日本円が必要になります。あまり詳しくない方だとおそらく、「銀行で両替すればいいだけじゃん」なんて思われるのかもしれませんが、現実的にはこれは微妙な選択肢です。なぜかと言うと、中国政府は国内の富が国外に流出するのを非常に恐れており、銀行の両替レートはびっくりするくらい悪いです。要は、「買いレート」と「売りレート」の差がものすごく大きく設定されているのです。北京首都国際空港の両替所でこのレートを初めて目にした際には、本当に唖然としました。

 

はっきり言わせてもらえば、こんなのはただの嫌がらせでしかないと思います。中国政府は国を富ませるため、近年は非常に積極的に外国人を雇用しており、実際にビザの取得なども非常に簡単です。しかしながら、「国内で得た収入は国内で消費しろ!」なんていう訳のわからないことを言うわけですから、本当に都合のいい連中だなと思います。

 

そんな背景もあり、仮想通貨に対しては並々ならぬ期待が寄せられているわけです。私はまだ試していませんが、例えば、私が中国の仮想通貨取引所に口座を作り、手元の人民元でビットコインを購入し、それを日本の仮想通貨取引所にある自分の口座に送金し、そこでビットコインを日本円に換えることは現時点では可能なわけです。現状、ビットコインの値動きは若干激しめなので、送金中に不利な方向に振れてしまう可能性がないわけではありませんが、中国国内の両替所の極悪なレートを考えれば、大きくロスを減らせる可能性が高いです。

 

もっとも、中国政府もこの手法に関しては想定内ですから、どう対処すべきか現在進行形で議論している最中のようです。一時期は規制を強化するのでは?という話もあったのですが、現時点では大きな動きはないようです。

 

現在、世界で最も規模の大きな仮想通貨取引所は香港にある「Binance」ですが、香港の位置付けというのはやはりまだまだ微妙なわけです。中国ではあるわけですが、インターネット規制がないことからもわかるように、相変わらず独立した国のように経済が動いている側面があります。上の方で「両替レートが悪い」と書きましたが、香港にまで足を運べばものすごく有利なレートで両替が可能です。その場合はもちろん、「人民元 -> 香港ドル -> 日本円」の順番で両替する必要があるため、二度手数料を取られるわけですが、それでもなお、かなり有利と言えるレートです。そんなわけで、仮想通貨取引の規制に関しては、香港との関係もあり、中国政府的にもなかなか難しい部分があるのだと思います。

 

ということで、今回は少々ややこしい話をしましたが、私は現在中国にいますから、仮想通貨に関してはなおのこと興味深い存在に感じます。これも全て、元をたどれば、「国境」を取っ払ってくれたインターネットのおかげなのでしょうね。まあそもそも、インターネットがあるおかげで、私は海の向こうにいてもこうやって情報発信ができるわけですが。自分は本当に面白い時代を生きているなと改めて感じます。