元中国在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて中国に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系中国ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

中国ビザの入手方法と入国後の居留登録

今回は少し時間を遡って、中国ビザの入手方法や入国後の居留登録について、各種注意事項を交えてご紹介したいと思います。

 

中国側の日本人に対する扱い


まず、中国(中華人民共和国)政府の外国人入国者に対する扱いはかなり厳格です。

 

実は私は、過去にここまでビザに関するルールが厳格な国に滞在した経験はなく、同じ中華圏なんだから台湾(中華民国)と似たようなものだろうと思っていました。しかし実際は、台湾とは極端に異なります。

 

台湾の場合、日本人に関してはビザなしでも90日間までは滞在が可能なのですが、中国はビザなし入国の場合、15日間までしか滞在できません。ですから、短期旅行の場合を除けば、基本的に入国にはビザが必要ということになります。

 

あまり実感のない方が多いかと思いますが、実は日本のパスポートというのはかなり強力で、ざっくり言えば、多くの国でビザなし入国及び長めの滞在が可能となっています。しかし中国に関しては少々注意が必要だなというのが私の感想です。

 

ちなみに、中国人が台湾を訪れる際には手続きが面倒だったりするので、こういったことは基本的に当該国同士の関係性によって決まるのが常です。

 

中国ビザの入手方法


次にビザの入手方法のご紹介ですが、中国ビザに関しては2016年10月27日から申請方法が変わったので注意が必要です。

 

ビザ申請というと大使館に足を運ぶイメージが強いわけですが、中国ビザの需要増大に伴い、昨年の秋からは大使館とは別の「中国査証申請サービスセンター」(http://www.visaforchina.org/)にて申請及び受け取りをすることになっています。このセンターは、日本には東京、名古屋、大阪の三箇所に存在します。遠方にお住まいの方は申請や受け取りに手間や交通費がかかるわけですが、まあこれに関してはどこの国のビザを入手する場合にも当てはまる話ですから仕方ありません。

 

具体的な申請方法としては、上記のサイトに載っている必要書類を持ってセンターに足を運び申請を済ませ、数日後に再訪して代金を支払い受け取ることになります。申請時にパスポートを預け、ビザはそのパスポート内のページに貼り付けた形で渡されます。

 

今回私が利用したのは東京にあるセンターで、東京メトロ日比谷線の神谷町駅から徒歩数分の場所にあるビルの8階にあります。

 

まず入り口にこんな感じのカウンターがあるので、そこで書類が揃っているかの確認を受け、番号札をもらいます。

 

東京にある中国査証申請サービスセンター

 

あとは自分の番号がモニターに表示されるのを待ち、順番がきたらカウンターに行って申請をするだけです。

 

東京にある中国査証申請サービスセンター


センターによって異なるのですが、東京の場合、申請から受け取りまでの所要日数は4営業日となっています。料金を追加することでこれを3営業日に短縮することができ、さらにお金を積むことで2営業日に短縮することも可能です。

 

ビザ申請関係の注意事項


ビザ申請関係の注意事項をいくつか書いておこうと思います。

 

まず、ビザが申請な方はその準備を少しでも早めに始めることを強くお勧めします。私の場合、中国で働くわけで、当然中国の会社から必要な書類を送ってもらう必要があったのですが、それらの書類の入手にすごく時間がかかりました。ただ、それは会社の連中が悪いわけではなく、中国の公的機関から承認を受けるのにすごく時間がかかったからです。私はこの遅延のせいで赴任が当初の予定よりも遅くなりました。その間、当然給料ももらえないので、薄給でギリギリの生活をしている私には結構大変でした。

 

次に、ビザ申請の際には、上記の申請センターのホームページに載っている説明をよく読んでください。原本の提出が必要なのか、それともそのコピーなのか、もしくは両方なのか、よく頭に入れておく必要があります。申請時にコピーを取っていないことを指摘され、コピー機と窓口を何度も往復している人を見かけましたが、順番待ちをしている者としては、あれほどイライラする光景は他にありません。

 

ちなみに、駐在員の場合はビザ申請は業者に依頼することになるでしょうからこれらの知識は必要ないかと思われますが、私のような現地採用者や現地の学校に留学する学生さん、現地人と結婚した人の親族などは自身での申請が基本になるかと思います。

 

中国入国後の居留登録


さて、無事ビザが手に入ったらいよいよ渡航です。北京首都国際空港の入国審査の列に並んでいたところ、白人が一人、「ビザがないなら国に帰れ!」と怒鳴られて追い返されオドオドしていましたが、有効なビザさえあれば審査はサクッと終了します。私の場合、審査官(?)と言葉を交わす必要は一切ありませんでした。

 

入国後なのですが、現地にて必要な手続きがいろいろとあるはずです。最も重要な手続きが「居留登録」、要は居留許可を得て居留証を手に入れることなのですが、このために必要な書類がいろいろとあります。まず、その辺にある小さな警察署に行って一時的な居留許可を得る必要があったり、外国人専用の健康診断を受ける必要があったりなんかします。

 

私も数日前に外国人専用の健康診断センター(?)に行ってきました。検査項目はいろいろでしたが、主なものとしては、胸部X線、腹部超音波、心電図、血液検査でしょうか。まあ日本で受けるものと変わらないと思います。数日後に受け取った検査結果は中国語と英語で書かれていて、専門用語だらけなのでよくわかりませんでしたが、とりあえず血液検査によってHIVや梅毒に罹っていないかチェックされているのだということはわかりました。

 

各種書類が揃ったら、大きな警察署に行ってパスポートに居留許可証を張ってもらうそうです。その後にさらに再度小さな警察署に行って登録作業が必要だったりと、なかなか手順が細かいので慎重に進める必要がありそうです。実は私はまだこの手続きが完了していません。

 

最後に入国後の注意事項を書いておきますが、基本的にはどこに行っても中国語しか通じないと考えるべきです。外国人が訪れるような公的機関ならどこに行っても英語が通じる台湾とは全然異なります。首都である北京ですらそんな感じですから、中国の地方都市なんかでは尚更だと想像できます。ですから、もしあなたが中国語を話せないのなら、各種手続きに赴く際には必ず現地人と一緒に行くことを強くお勧めします。私の場合、中国語は全く話せませんから、連日若い社員が一人ついて手伝ってくれています。どこに行っても私は彼の指示に従ってパスポートを出したらい引っ込めたりしているだけなので、ぶっちゃけ何が起きているのかよくわかっていない部分も多いです。しかしながら、彼が相手と結構長めに会話をしているシーンを何度も目にしているので、自力でこなすためにはそれなりに高いレベルのコミュニケーション能力が必要になる可能性が高そうです。

 

ということで以上、今回は(短期旅行を除く)中国渡航に伴う各種手続きについて簡単にご紹介しました。国が違えば各種ルールも異なりますから、めんどくさがらずに事前に丁寧に調べることが大事なのかなと思います。

 

世界における中国の存在感は今後ますます増すことが確実であり、ビジネスや留学等で現地に中期的長期的に滞在する日本人は間違いなく増えるのではないでしょうか。こういったブログ等も含めた日本人ネットワークが今後もっと発展して、どこの国にいても日本人が快適に過ごせるようになるといいな、なんてことを個人的には願っています。