元中国在住サラリーマンの徒然なる日々

かつて中国に数年間住んでいた日本人サラリーマンが綴る雑食系中国ブログ。ご連絡はTwitter(https://twitter.com/superflyer2015)経由でお願いします。

「中国が北朝鮮を庇っている」という報道から感じたこと

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あくまで庶民レベルかつ私の主観に基づいた極めて個人的な意見ですから、以下、真実(そもそもそんなものは存在しないと思うけれど、、、)とは限らないと思ってお読みください。

 

北朝鮮の核戦略


もはや私がここで説明する必要はないわけですが、先日の北朝鮮の核実験を受け、連日日本では北朝鮮の核戦略及びそれに対する各国の対応について報道がなされています。

 

先ほど私が目にしたニュースによると、本日、小野寺五典防衛相が「北朝鮮は核兵器を持っている」と明言したのだとか。どの程度実践で使えるレベルなのかは私にはわかりませんが、とりあえず持っていることは間違いないわけです。そして、恐ろしいことにそのターゲットは日本であり、さらに連中は、現在私がいる北京にも打てるよと言っています。

 

北朝鮮にとって戦争を起こすことにメリットなど一切ないわけですから、もちろん政治的な意味合いが強く、外交のカードとして核開発を進めているわけです。核さえ持っていれば「攻められない国」になるわけで、各種外交を有利に進めることができます。

 

このことから、北朝鮮の行動にはしっかりとした「理由」があるということがわかります。良いか悪いかは置いておくとして、トンチンカンなことをしているわけではないということは確かです。

 

中国が北朝鮮を庇っている???


現在日本とアメリカは北朝鮮に対する各種経済制裁を強化しようとしているわけですが、ロシアと中国がそれに難色を示していると日本では報道されています。

 

このことを受けてネットの世界では中国批判が展開されているようですが、私は現在北京にいますから、少なくとも日本にいて適当なことを言っている人たちよりはリアルなことを知っているだろうと思い、今回記事にすることにした次第です。

 

まず、中国が北朝鮮を庇っているなんていう事実は絶対にないと思います。

 

こんな超絶自己中な連中が他国のために何かをするなんてことは絶対にあり得ません。

 

と書くと誤解を招くかもしれませんが、リアルな話をすると、中国人ってびっくりするくらい貧しくて、他者に気を使う余裕なんてとてもじゃないけれどないのです。国土が広大でやたらと人口が多いから「大国」と言われているだけで、実際はみんなめちゃくちゃ貧乏です。私はこっちに移ってきて初めて、例えば、日本に旅行で訪れる中国人たちがほんの一部の富裕層、つまりは特別な中国人だったのだということを理解しました。

 

今日は日曜日で、今私は会社のオフィスでこれを書いていますが、半分以上の社員が同様に出社しています。でもみんな仕事をしに来ているわけではありません。遊びに出かける金がないから、会社のオフィスにあるパソコンで違法ダウンロードしたドラマや映画を観たり、違法ダウンロードした漫画を読んだりしているのです。聞いてみるとなんでも、みんな家(と言っても、会社の寮の4人部屋)にはベッドしかなく、まともなデスクと椅子がある会社のオフィスの方がはるかに快適で、普段週末はここで終日過ごすそうです。「見たい映画があったら遠慮なく言ってくれ」と言われました。ちなみにもちろん、平日はみんなかなり真面目に仕事をしています。成果を出さないと結構簡単にクビになるそうですから。

 

ここからが本題ですが、彼らと一緒にいてわかってきたのは、日本人と中国人ではかなり価値観が異なるということです。彼らは日本人のようにあれこれごちゃごちゃ考えるということをしなくて、指示されたことのみに100%集中します。ですから、仕事の割り振りもこの国ではすごく細かくはっきりとなされています。みんな自分の担当している仕事以外のことを考えることはせず、他者の仕事に関しても一切興味がありません。チームで進めるタイプの仕事でも、リーダーが細かく作業を割り振ることで、構成員は自分の担当だけに専念すればよい仕組みになっているのです。そのようなシステムのため、リーダーにはとりわけ高い能力が求められるのですが、リーダー自身の仕事はチームのメンバーに仕事を割り振ることだけ。それが済んだら報告を待つだけですから、実際の労働時間はかなり短いような気がします。

 

もちろん、これが全ての会社に当てはまるわけではないと思いますが、少なくとも参考にはなるかなと。

 

あとは、みんな政治に関しては興味がないようです。表面的には存在しないことになっているけれど、この国にはまだ昔の身分制度みたいなものが残っていて、「貴族」的なポジションの人が存在するそうです。細かいことは私もまだよくは理解できていませんが、なんでもこの国では、戸籍は簡単には変更できないようで、代々北京に住んでいた人とそうでない人では社会的な地位が異なったりなんかするそうです。そんなこんなで、学歴や能力はもちろんのこと、その他いろいろと生まれながらの条件も揃わないと政治家にはなれないそうで、連中は別世界の住人なのだとか。この国では、ありとあらゆる面に関する「格差」が、日本とは比べ物にならないレベルで存在しているような気がします。

 

ですから、こんな貧乏人だらけの国に対して文句ばかり言っている豊かな日本人たちを見ていると、なんだかなあと思うわけです。知り合いがロシアで働いていますが、ロシアも非常に貧しい人たちばかりだそうです。みんな他者や他国のことを考える余裕なんてないんですよ。

 

それと国際問題はまた別、という意見もあるかとは思いますが、国を構成しているのは国民であって、みんな生まれた場所で一生懸命生きています。国単位で安易に批判の言葉を口にするのは、あまりにも雑な物言いなのではないかなと。日本人は豊か過ぎて、世界のスタンダードから大きく外れてしまっているのだと思います。

 

核を持った人間の未来


今回の北朝鮮問題に関しては、プーチンさんの言っていることが的を得ていて、北朝鮮は仮に国民が雑草を食べることになっても核開発をやめないと思います。経済制裁の効果なんてかなり限定的でしょう。個人的には、無教養な国民に納得してもらうためのパフォーマンスにすら思えます。

 

確かに中国と北朝鮮の間にはお金の流れがあるようですが、そこを切っても結局のところその営みによって生活している一般国民が苦しむだけ。

 

そもそも北朝鮮が実際に核ミサイルを打ってくる可能性はほぼゼロだと思います。打ったら彼も確実に死ぬわけですから。唯一の懸案事項は、彼が例えば治らないことが確定的な病に罹って、やけくそで打ち込んでくる場合ですが、それがどうしても怖いのなら、北朝鮮と韓国の多くの人民の命を犠牲にして、もっと早い段階で潰しておくべきだったのだと思います。もう何もかもが遅過ぎて、今できることなどないのではないでしょうか。ロシアだって中国だって、自国の国民の生活を第一に考えて、必死でバランスを取ろうとしているのでしょう。トランプさんだって安倍さんだって、当然そんなことはわかっているはずです。連中に本音を語ることは許されないのです。

 

要は、私が言いたいのは、メディアが垂れ流す雑過ぎる言葉を鵜呑みにして、安易に他国を批判するべきではないということです。日本人はあまりにも外国のことを知らないのです。ごく当たり前のように酒を飲んだり、カラオケ店や映画館に足を運んだり、スマートフォンのゲームに課金したり、、、そんな超豊かな生活をしている人たちには理解できない世界があるのだと思います。そして、その理解できない部分というのが、この世界の大半なのです。

 

そもそも核兵器なんていうものを人間が手にした段階で、安定的な平和の存在は否定されたのではないでしょうか。たった一人のキチガイの判断で、人類は滅亡する可能性があるわけですから。どんな理性的な人間でも、キレたり狂ったりボケたりした際には、何をするかわかりませんしね。